吉富 有治
大阪破産 Osaka Bankrupts

大阪破産は吉冨有治さんが書かれた、大阪市の抱えてきた一連の諸問題を幅広く解説したものである。

民間の人間から見ると世にも不思議な物語である。

途中で気分が悪くなる。税金を払う気力がなくなる本である。

たとえばこの本にこういう話がある。あるテレビ局の取材チームが阿倍野区役所を1ヶ月間張り込んだ。テレビカメラで撮影していると一度も残業の気配がなく、真っ暗であった。

それから取材班は、情報公開請求で「超過勤務命令簿」を入手。そこには残業があったことが記載されていた。なんと阿倍野区役所は真っ暗なヤミのなかで残業をしていたのであった・・・そんな馬鹿な。

まさか1ヶ月間テレビ局が撮影しているとは知らず、課長は「月初めの全員がそろう日に会議を行なっている」と答え、恥をかくこととなる。

大阪市の抱えてきた醜い姿が赤裸々に描かれているが、これは大阪市だけの問題ではないだろう。日本全国の市役所にも、多かれ少なかれこういう事態があるのではないだろうか。