西浦 道明
社長の力―逆風の中で成長を続ける3社のケーススタディ

西浦道明さんの著書「社長の力」は、成長を続ける

ところが、本で読んで勉強した経営の知識は実戦では案外役に立たないものだ。

勝ちパターンとは、会社の置かれている状況や時代によってそれぞれ変化するものだ。

この勝ちパターンを真似れば絶対に勝てるとは言い切れないところがある。

しかし他社の戦略を学び、対抗策を考え常に備えておけば危機管理力は強くなる。

この本で最後に書かれていることが一番参考になる。

「経営者は、とかく結果出そうと目先を追いかける。目先とは、一年後の今期決算の業績である。しかし、

3年から5年後に照準を合わせ、その時点でも結果が出せるよう、環境変化に適応してビジネスモデルを

変えることの方がもっと難易度が高い。更には、10年から30年後に照準を合わせて後継者を育て、後継者に結果を出させることの方がそれ以上に難易度が高いのだ。これにより、世代を超えて成長し続けることができる。したがって、後継者の人選と、後継者が育つ場と環境条件を整えることこそ、実は、経営者にとって極めて重要な社長の仕事である」とある。

10年から30年後のことを考えて経営している社長さんより、明日の金策に走っている社長さんの方が多いかもしれない。理想と現実は違うのだ。未来は近いようで遠い。

3社のケーススタディが具体的で参考になる。